キ・ソンヨン
尖閣問題を入口に、沖縄は日本の領土ではないと主張したのです。そのうえ「沖縄では住民の75%が日本からの独立を望んでいる」とも唐氏は書きました。
さらに新華社は昨年8月20日付で、中国社会科学院日本研究所の学者・呉懐中氏が、歴史研究者らのシンポジウムで「沖縄の主権は中国に属する」と主張したことを紹介しました。こうした学者の発言が、中国政府の意向を受けての発言であるのは間違いありません。
歴史や現実は一切無視し、まず言葉で「自国の領土」だと宣言し、自国領とする法律を制定し、軍事力を背景に奪い取る、これが中国のやり方です。すでに沖縄が中国のターゲットになっていることを、日本国民、とくに沖縄の人たちはよくよく認識しておきたいものです。
中国にとって最も好都合なのは、米軍が沖縄からいなくなることです。沖縄で反米・反基地運動が盛り上がること、そして日米同盟が揺らぐことも大歓迎です。そのために「世論戦」を仕掛け、日本の「世論の分断」をはかることも、中国の得意とするところです。